恋愛症候群
自分はきっと狂ってしまっているのだと思う。
目の前に居るゼフェルを見て、ランディは何故か夢を思い出した。
今日見た夢。
色鮮やかで、現実に似て。
起きても忘れられない、そんな印象深い、ゆめ。
それは遠い過去の夢だった。
当然のように、隣にゼフェルの姿はない。
なのに、自分は笑うのだ。
何も知らず、幸せそうに。
何で笑う?と誰かが尋ねる。
そこで気付いて、ランディは探しはじめる。
何を探しているのか、わからないままに。
それでも、狂うような衝動を胸にして。
それはもしかしたら、遠い未来の夢かもしれない。
いつかくるかもしれない、ゼフェルの居ない、未来。
否、来るかもしれないではない。
それは約束されているのだから。
どんなに拒んでも、来てしまうのだから。
ゼフェルが居なければ、もう、
ランディにとって世界は意味を成さないにも関わらず。
「ランディ?」
ジッと見ているランディを、不思議そうにゼフェルが見た。
ランディはなんでもないと笑う。
微かに悲しみをにじませて。
遠い未来。
いつか来る、現実。
自分はゼフェルと分かれなければならないのだ。
そうなるくらいなら、世界が終わってしまえばいいと思う。
それが叶わないなら、せめて夢のように忘れてしまいたい。
だけどきっと忘れられない。
忘れられれば楽なのに、と泣きながら、
それでも自分はゼフェルを覚えているのだろう。
狂うような衝動を、胸に抱くのだろう。
それでも。
ソレがいつか来る未来だと知っていても。
もう、手遅れなのだ。
もう、離れる事は出来ない。
別れがあると知っていて、傍にいたいと望んでしまう。
あぁ、きっと。
これは恋愛症候群の末期症状。
逃れられはしない。
そう、この身が朽ちる、その時まで。
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もう逃れられはしない。
それならば、闇の淵まで堕ちようか?
君無しの世界はもう、意味など成さないのだから。
君が居れば、どんな場所も楽園なのだから。
なんだか、ありがちなタイトルですが。
というより、ラン様壊してごめんなさい。(汗)
別れ話・・・アンジェにはつき物だと思います。
ので、出してないだけでいくつか書いた事が・・・。(そのうち出します〜)
オマケあります。一応ハッピーエンド・・・かな?会話だけですけど。(ぉ)
読む方はずずいと下へv
「おい、ランディ?」
「あ、ゼフェル?」
「『あ、ゼフェル?』じゃねぇ・・・
さっきから何ぼんやりしてんだ?」
「別に・・・。」
「別に、って顔じゃねぇだろ。」
「・・・いつか、別れなきゃいけないんだろうなって。」
「あ?」
「俺たち、いつか離れ離れになるんだって。」
「・・・オメェ、そんな事考えてたのか?」
「・・・。」
「いいか、ランディ?よく聞け?俺はオメェと別れる気はない。
たとえ女王に逆らったて、世界を敵に回したって、わかったか?」
「・・・ゼフェル。」
「探そうぜ?二人の道。二人で歩ける道をよ?」
「あぁ、そうだな。」
そして二人は歩き出す。
新たな道を、作って。 |
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