奇跡が起こるとしたら
その奇跡は悲しいものだろう・・・・
『奇跡』
柊家に2つの呪いがかけられてから
最後に訪れた冬のある日
剣を扱う一族の師範
柊 芯の娘である
柊 浮葉
彼女が初陣をすることになった。
しかし、浮葉は生まれつき体が弱いため
本当なら初陣は春になってからの予定だった・・・
それを父である芯が
当主に就いたばかりの月衣に頼み込んで初陣が早まったのである。
「お父様、行ってまいります。」
浮葉は少し緊張していながら
芯の顔を見て微笑み出陣をした。
そして、その微笑みが
父である芯にとって
浮葉の最期の微笑みとなった・・・
出陣から1ヵ月後
帰ってきた浮葉は氷のように冷たく冷え切っていた・・・
誰もが浮葉の死を悲しみ
無力な自分達を責めた。
そんな中、芯が月衣に反魂の儀を執り行うよう説得した
反魂の儀とは
執り行う者の命を引き換えに
死者を復活させるという儀式
実際に行われたことがなく、
文献も少ないため不可能と考えられていたため
月衣の妹である私は猛反対をしたが
芯の寿命を考え、結局執り行うことになった。
反魂の儀が行われて数日後・・・
浮葉が目を覚ました。
その姿は、以前と少し違っていて
芯の面影が感じられた。
そして、すべてを後から知った浮葉は
父である芯の墓の前で泣き続けた。
反魂の儀という名の奇跡は
浮葉
彼女にとっても
私達にとっても
あまりにも悲しい奇跡だった。
あとがき
昔、書いたものとは少し変わってしまって
かな〜り語っています。
ちなみに、由女が語っていたり・・・
(詳しくは"あんこ"の家系図を)
全く、意味が分からないと思いますが(おぃ)
死というのは、悲しいものということが伝われば幸いです。
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