足元には道があった。
道標
空は突き抜けるくらいの蒼天。
周りは鮮やかな萌える草。
私はその場所に横たわり瞳を閉じた。
そのまま、心の中の声を聞こうと耳を澄ました。
そのまま、暗い思念の渦の底へと沈んでいく。
そこには道があった。
道は、遥か先に伸びていく。
だけど私は、先ではなく後ろを振り返った。
後ろにも道はあった。
私は、今まで来た道に思いを寄せる。
今まで私たちのたどった道を思い出す。
出会いから、今までの道を。
私たちは出会った。
女王試験という必然の中で。
それは、ただ目の前にある道をたどった先にあった必然だった。
私たちは恋をした。
積み重なった偶然の中で。
私が、そしてあの人が選んだ、偶然という小さな道の先で。
二つの道は交わった。
だけど。
思い出す。
あの時の事を。
その小さな道の先を見たときのことを。
小さな道は途切れていた。
変わりにあったのは大きな道。
本来私たちがたどるべき道。
せっかく交わった二人の小さな道は、その大きな道に飲まれ、消えていた。
大きなその二つの道。
交わった小さな道が別れて出来たそれは離れることなく、だけど決して交わらない。
その道を見たときの絶望…。
「・・・。」
声が聞こえて、私は思考の底から浮上した。
閉じていた目を開くと、光が私の視力を奪う。
「・・・!」
もう一度、声が聞こえた。
今度ははっきり何を言っているかが分かった。
私の名前を呼んでいる…。
声を聞いてあの人が微笑んでいるのが想像できて、私の顔に自然と笑みが浮かぶ。
身を起こして、今度は私があの人の名を呼んだ。
「こんな所に居たんだ?」
探したんだよ、と傍に来るあの人は、私が思ったとおり笑っていた。
それを見て私は幸せな気分になる。
そして、この道をきてよかったと思った。
私たちの前に、二人で歩ける道はなかった。
だから私たちは道を作った。
それは簡単なことではなかったけれど。
けれど、今、私たちは二人で道を歩んでいる。
某CM曲を聴いていて書きたいと思いました。
そして、書きました。
・・・イメージとかけ離れてしまったのですが・・・
今回は微妙に人物をぼかしてみました。
ドリームは作れないので、せめて感じだけドリームで。(意味不明)
なので、相手と自分はお好きに想像してやってください。
ちなみにイメージは一応・・・コレットとランディ様のつもりだったです。
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