ドキドキの日曜日



気持ちのいい風が吹いていた。

空は青く、一点の曇りもない、そんな日の曜日。

アンジェリークとゼフェルは公園に居た。

「こっちです、ゼフェル様〜!」

金の髪をなびかせ駆けていく姿は、もう一人の女王候補と比べられない位幼く思える。

それでも、ゼフェルはその底抜けな明るさが好きだった。

そう、女王試験も悪くないと思えるほどに。

「しゃ〜ねぇな。」

イヤイヤというフリをしながら、アンジェリークの側へと歩いていく。

アンジェリークはベンチの前に居た。

じーっとベンチに座る恋人達を見ているアンジェリーク。

それを見て、ゼフェルはニヤっと意地悪に笑った。

「羨ましいのかよ?」

「違いますっ!」

いつの間にかすぐ側に来て、

耳元で囁くように言ったゼフェルにアンジェリークは紅くなって反論する。

(確かに少し羨ましいけど・・・。)

ちらりとゼフェルを見る。

ゼフェル様とあんな風に居れたら・・・とほんの少しだけ考えた事秘密だ。

「ふ〜ん。」

ニヤニヤと呟くようにように言ったゼフェルに、アンジェリークは少しドキっとした。

それでも、それ以上になにも言わずに歩き出したゼフェルにアンジェリークはほっとした。

(見透かされたのかと思った・・・。)

この思いを。

アンジェリークは軽く首を左右に振って、考えを消した。

せっかくのデートに考え事をするなんてもったいない。

そう思って、前を見る。

「置いていくぞ。」

そう言いながらも待っていてくれるゼフェルを、アンジェリークは小走りで追いかけた。

そこから先もドキドキの連続。

周りの人からかけられる温かい声。

あの人たちには、自分達は恋人同士に見えてるのだろうか?

そう考えると、アンジェリークはドキドキした。

『ああいうのをお世辞って言うんだぜ。』

まるで、照れ隠しのように言ったゼフェルは、少し顔が赤かった。

早足になって、丘に向かうゼフェルに、アンジェリークは小走りでついてく。

丘で、守護聖らしいと思うような質問をしたゼフェル。

答えたアンジェリークに、へぇと感心していた。

でも、アンジェリークの方も感心していたのだ。

自分の大陸の事をゼフェルが知っている事に。

そして、嬉しかった。

自分の大陸を見ていてくれる事が。

笑ってほめてくれる事が。

二人はならんで歩き始める。

やがて辿り付いた女王の像へと向けられたゼフェルの視線は、守護聖のもの。

入り込めない雰囲気に、アンジェリークは少し寂しくなった。

まるでソレを読むかのように、ゼフェルが振り向く。

「女王候補は大変か?」

心配が滲み出る言葉。

それにアンジェリークは笑顔で首を横に振った。

ゼフェルは自分のことも見ていてくれるのだ。

そう思うと嬉しかった。

「おめーはすげーな。」

感心したように言ったゼフェルに、アンジェリークは更に明るい笑顔となる。

そのまま、また歩き始める。

「疲れてねーか?」

再びかけられた心配の言葉に、アンジェリークも再び首を横に振った。

それでも、少しの疲れを読み取ったらしいゼフェルは、『すこし歩くぞ』といって、

休める場所まで案内してくれる。

視界に入ったドームにアンジェリークは思わず駆け出した。

前から素敵だと思っていたその場所に、ゼフェルと二人で行けると思うと疲れなど忘れた。

「危ねぇ。」

ゼフェルの声と、体がバランスを崩すのはほぼ同時だった。

後ろから抱きしめられてアンジェリークはドキっとした。

転ばないように、と支えてくれた事に感謝する。

「大丈夫か?」

心配そうな言葉。

ドキドキは収まらない。

「はい、大丈夫です。」

紅くなって小さく言ったアンジェリークにゼフェルは笑みを浮かべる。

最初に見せた意地悪なものとは違うソレ。

お礼を言ってから振り向いたアンジェリークは、それを見てさらにドキっとした。

「じゃあ、行くか。」

照れたように言って歩き出したゼフェルに着いていきながら。

この瞬間が終わらなければいいのに、とアンジェリークは思った。






佳夏様のリクで、ゼフェル&リモージュのラブラブデートです。
語呂合わせ指定キリ番の4649(ヨロシク)を取って頂きましたv
1のデートに則って書いてみました。どうでしょう?
タイトルは、私にしては珍しいコミカルなものになってます。
いや、別にコミカルに付けれたらいつも付けるのですが・・・。(その方が可愛いし・・・)
そして、日の曜日ではゴロが悪い気がして日曜日に。(前もそういうことがあった気が・笑)
私的に、最初のゼフェルとリモージュの掛け合いが好きです。(笑)
そういえば、デートネタは少ない気が・・・。
てか、初めて?(爆)
気に入ってくださると幸いです。
素敵なリクエストをありがとうございますv
最後になりましたが、この話は佳夏様へ捧げます♪