想い



いつの間にか好きになっていた・・・。

いつからだろう?この思いに気付いたのは・・・。

最初は、変わった話し方をする人だと、ただそれだけだった。

それから、何度か店へ行ったりもした。

けれどそれは、別に他意があるわけでもなく、

ただ純粋にプレゼントを買いに行っただけで・・・。

それがいつしか、恋になった。



いつからやろう?目を話されへんようになったんは・・・。

最初はただ、頼りない女王候補やと思った。

普通の女の子って形容がこわいほど似合う、そんな女の子やって・・・。

でも、気付いたんや。

その小さな背中に、重い重い女王候補という重圧を背負ってるって事に・・・。

そしたらなんか急に愛しくて・・・。

たぶんそれが、愛になった。



そう、何度かお店を訪ねるうちに、少しお話するようになって・・・。

いつも明るくいらっしゃいと言ってくれる事が嬉しくて・・・。

それが、『好き』という気持ちに変わっていった・・・。



店に来るたびに見せるあの微笑みに、ひどく暖かい気持ちになって・・・。

いつも明るく挨拶してくれる事が嬉しくて・・・。

それが、『好き』という思いに変わっていった・・・。



けれど、私は女王候補で・・・。



やけど、彼女は女王候補で・・・。



きっと思ってはいけないから・・・。



きっと思いは通じへんから・・・。



どうか、祈る事を許してください。

あの人が、幸せであるように・・・。



どうか、願う事を許してください。

彼女がいつも笑顔であるように・・・。



重なる思いは、けれど、交わる事は無い。






暗っ!なんかすっごく暗いですね〜。
この書き方してみたくて、実施したんですけど・・・(続・本能のままに生きる女)
どうも、ハッピーエンドにはなりませんでした。(泣)
せっかく両思いなのに・・・。
でも、案外好きです。(笑)
はい、オマケつきです。
ハッピーエンド仕様です。
もう、ずずいと下へ行っちゃって下さいませ♪












































それから時は経って、女王試験の終わりの前日。

アンジェリークは一人、聖殿に呼ばれた。

そこに居たのは、金の髪の、自分と同じ名を持つ女王と、青い髪の女王補佐官。

女王は緑の双眸に微笑を讃え、彼女にチャンスを与えた。

想いを伝えてきなさい・・・と。

胸に一生しまうはずだった。

けれど、叶うはずのない恋だと分かっていても伝えたいと願った。

だから走って、走って、走って・・・。

伝えた彼女を、商人は抱きしめた。

こうして、女王試験は幕を閉じたのだった。


Fin