人には越えてはならない領域がある・・・

俺達はその領域を越えてしまったのだろうか・・・ 



〔境界線〕



 この柊家に来て毎日が訓練だったある日初めて、
今まで一番仲の良かったダチと喧嘩した

その時

「化け物のくせに!!」

と、言われた・・・

 正直、あいつにそんなことを言われるなんて思ってもみなかった・・・  

お陰で、その日の訓練は全く力が入らなかった

「刻、 先ほどからやる気が全く感じられませんが・・・ 何かありかしましたか?」

母であり刻に槍を教えているそんな須磨には、
刻のちょっとした変化すら分かってしまう

さすがお袋!!と感心してしまうが刻は

「別に・・・」

そういうと、視線を逸らし縁側に座り

「なぁ、お袋・・・ 俺達って、化け物なのかな・・・」

つぶやくと須磨は驚いた表情をしたがすぐに落ち着いた微笑みを浮かべ

「そうかもしれないわね・・・」

刻を突き放すように言うそんな答えが返ってくるなんて思ってもいなかった刻は
愕然とすると須磨はその姿を見てから空を見上げ少し悲しそうに

「私達は神の子だから 普通の人達を助けてあげないといけません。
 だから、私達は化け物になっても命が尽きるまで戦う・・・
 それが初代様が選ばれたことなの・・・」

「何で守ってる奴に
 化け物って言われてまで守る必要があるんだよ!!」

「刻には理解出来ないかもしれないけど、
 初代様は普通の人達が好きだったのでしょう
 だから 守りたいと考えられたのではないかしら?
 そのうち、刻にも理解が出来たらいいわね・・・」

そう告げると須磨はアッという間に姿を消していた

『守りたいからか・・・』

刻は須磨の言葉の意味を出来ずため息をついて悶々と考え込んだ

しかし、考えても考えても初代の考えは理解できずとうとうしびれを切らして

「あ""〜 分かるかってーの!! 気晴らしに外にでも行くかな〜」

そういうと、外へと行く気がついたらいつもみんなと遊んでる神社に来てしまっていた

『俺は何を期待してんだろう・・・』

そう思いながら、境内を見渡してため息をついていると草むらから、
何かから逃げるように一人の女の子が飛び出してきた

その子は、刻の友達の一人だった。

『お奈津だ・・・ 何してんだ?』

ぼんやりと考えていると草むらから女の子を追ってきた鬼がいた

『嘘だろ・・・ でも、俺には関係ない・・・』

鬼が女の子に追いつき女の子が襲われる瞬間
気がついたら護身用の小刀で女の子を助けていた

花蓮火を使い鬼を退治した女の子は呆然と刻の後姿を見つめていた

「大丈夫か?」

「えっ?う、うん・・・ それより、いっちゃんが・・・」

女の子は慌てふためき泣きそうになる刻は、
なんとか女の子を落ち尽かし話を簡単に聞くと鬼が急に現れてみんなを襲ったらしい

「お奈津・・・ 悪いけど、俺の家に言ってお袋を呼んできてくれ!!」

そう言って俺はみんなを助けるために草むらに飛び込んだ

「刻くん!」

女の子が呼び止めるのも聞かないで 今なら初代様の気持ちが分かる

越えてはいけない境界線を越えて
化け物と言われても守りたい者があることを知ったのだから・・・



  あとがき

ワシは何を書きたいのやら・・・
何か、綺麗ごと過ぎて書く気が失せたから中途半端になってしまった(汗)
まあ、この後は