贖罪の告白
その言葉を聞いたら、全てが壊れてしまう気がしていました。
「今、何ておっしゃったんですか?」
だから、私はそのセリフに思わず聞き返しました。
それにランディ様はは真剣に返してくれて。
「好きなんだ、アンジェリーク。君が。」
いつも通りの真剣な目で。
それ私を追い詰めようとしていく・・・。
ランディ様のことはキライではないと思います。
どちらかといえば、きっと、好きなんでしょう。
・・・けれど。
「私は・・・。」
何か言うつもりで口を開いて、けれど言葉はそこで詰まりました。
傷付けたくない。
そんな思いが湧くほどには好きでした。
自分の身勝手だとは分かっていても、そう思ってしまいました。
そんな私にどう思ったのか、ランディ様は困ったように笑いました。
「帰ろうか、アンジェリーク。」
やっぱり優しい人。
きっとこの人の恋はここで終わるのでしょう。
それを少し切なく思うのは、やっぱり私のエゴ・・・。
「はい。」
だからせめて、あの人にとって恋していた私が笑顔で終わるようにと、私は微笑みました。
部屋の電気をつけるのも億劫に、私はベッドに沈み込みました。
寮に備え付けられたベッドは私を拒む事無く受け入れてくれて、心地よくて。
そのまま寝てしまおうかと瞳を閉じると、一滴涙が零れました。
理性と感情がバラバラになってました。
だから、涙は自然に溢れ出して・・・。
私にはそれをとめる術がありませんでした。
コンコン
どうするべきか、と身を起こした時、ノックの音がして、私はベッドから降りました。
扉からはせわしなくノックが続いています。
「はい。」
「アンジェリーク!・・・?泣いてたの?」
レイチェルの驚いたような声に曖昧に微笑んで、部屋に招きいれようとした私をレイチェルの手が制止しました。
「何か、あったの?」
手を掴まれて反射的に振り向いた私は、レイチェルの真剣な瞳とかちあいました。
嘘を全て見破るような鋭い光。
それをその瞳の中に見出して、思わず溜息が漏れました。
「ランディ様に・・・告白されました。」
「!?」
「安心してください。断り・・・ましたから。」
あれを断る、というのか分からないまま、私はそう言って、また曖昧に微笑みました。
そんな私をレイチェルは厳しい目で見ます。
・・・?どうして?
「アナタは?アナタの心は?」
私の・・・心?
「アナタはどうなの?ランディ様をキライなの?」
キライじゃない・・・けど・・・。
「スキなんじゃないの?だからそうやって泣くんじゃないの?」
そこで答えが出ました。
「きっと・・・好きだったんでしょうね・・・。」
でも、同時にこの友人も大切に思っていました。
そして、私は、この友人を・・・とりました。
「過去形にするもはまだはやいよ!」
「でも、レイチェル・・・。」
「『でも』じゃない。ワタシそんなの嬉しくないよ?」
なぜ、断ったのか、レイチェルには最初から分かっていたようでした。
彼女は微笑んで、私の背中を優しく押しました。
「ほら、速くいきなよ?」
幸せになって、という声が聞こえた気がして、私は今度こそ本当の笑顔を彼女に向けました。
そして、彼女が微笑んで頷いたのを見て、走り出しました。
息が苦しくて、もうダメだと思うほどに走って。
ようやくランディ様の姿が見えたとき、私はほっとして足を止めました。
もう、動けないほどに疲れていました。
「ランディ様!」
だから遠ざかるその姿に必死に叫びました。
その声が届くように祈りながら。
「アンジェリーク?」
怪訝そうにランディ様は振り向いて、息を乱している私に駆け寄ってきました。
その様子にまだ、そんな想ってもらえている気がして・・・。
私はランディ様に抱きつきました。
「私も、ランディ様が好きです。」
「え?でも・・・?」
「好きなんです・・・。」
抱きついたまま、懺悔のように何度も告白しました。
ランディ様はもう何も聞かずに、微笑んで、抱きしめていてくれました。
最初は3人称でした。
でも、それだと、温和コレットちゃんが出し切れずに・・・。
そんなこんなでコレットちゃん視点に変更した・・・のですが・・・。
水瀬様、本当に申し訳ないです。
っていうか、誰だよコレ!?
こんな口調の一人称を書いたのは初めてです・・・。(言い訳)
本当に申し訳ありません・・・!!
こんな駄文ですが、水瀬様に貰っていただけると幸いです。
素敵なリクエスト、ありがとうございました。
そして、それを叶えられずに申し訳ありません・・・。
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